第156章

 アリシアは上機嫌のまま公爵に連れられ、城の地下にある金庫へと回った。そこはロゲスト家の歴代当主が何百年もかけて集めてきた宝物庫で、並ぶ品はどれも本物の「宝」ばかり。値打ちは天井知らず――けれど公爵の言うとおり、アリシアの目当てである魔法素材は案外少ない。

 というのも、魔法素材は保存が難しい。何百年も寝かせれば、さすがに効力が抜ける。かつて家から出た魔法使いたちも、使えるものは使い切ってきたのだろう。とはいえ、残っている品は残っている品で、アリシアが見ても喉から手が出るような逸品揃いだった。その中には、彼女がずっと欲しがっていた竜血と竜骨まである。竜血は最上級の魔薬を煎じるのにこれ以上な...

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